渋温泉は、石畳の街歩きと小さな共同浴場を楽しみたい人に向く温泉街です。
日帰りでも散策や渋大湯の入浴はできますが、九つの外湯をすべて利用できるのは渋温泉の宿泊客です。
「日帰りで九湯を回りたい」「大きな温浴施設で一日過ごしたい」と考えると、期待とのずれが生まれます。
反対に、一度の入浴とおやつを組み合わせる日帰り、宿の食事と湯めぐりをゆっくり楽しむ一泊なら、目的を合わせて過ごせます。
渋温泉はつまらない?日帰り・宿泊で楽しみ方が違う
| したいこと | 合う滞在の組み方 |
|---|---|
| 九つの外湯に入りたい | 渋温泉に宿泊し、宿で専用の鍵を借りる |
| 温泉街を歩き、一度入浴したい | 日帰りで渋大湯と街歩きを組み合わせる |
| 入浴せず雰囲気を楽しみたい | 外湯の建物、菓子店、足湯を選んで散策する |
| シャワーや備品のある施設で過ごしたい | 共同浴場を大型温浴施設と同じに考えず、宿の内湯や利用プランから選ぶ |
外湯は、地元の人も日常で使う共同浴場です。
脱衣所と湯船が中心のシンプルな造りなので、設備が多いことより、湯や建物の違いを少しずつ楽しむ滞在に向いています。
九か所あるからと、短時間で次々に入ることを旅のノルマにする必要はありません。
日帰りで入れる外湯は、九番湯の「渋大湯」
大人800円・小人500円。券の購入と開錠は別の手続き
宿泊しない場合に利用できる外湯は渋大湯です。
料金は大人800円・小人500円で、旅館組合の日帰り案内は10時〜17時としています。
ほかの八つの外湯へ入れる共通券ではありません。
- 入浴券を買う。観光案内所、または大湯付近の販売旅館(金具屋・果亭・湯本旅館・松屋・ひしや・いかり屋)で購入します。
- 開錠してもらう。券を開錠対応施設へ提示します。小松屋商店・松屋・果亭・湯本旅館・ひしや・かどや・金具屋・古久屋・いかり屋が案内されています。
- 渋大湯へ入る。タオルを持って入り、入浴後は街歩きや休憩へ移ります。
券を買って浴場の前へ行くだけでは、入口が開いていないことがあります。
販売先と開錠先を分けて覚え、購入時に今対応できる開錠先も聞くと移動がまとまります。
施設によって不在の時間帯があるため、一軒で対応できなければ別の対応先へ回る仕組みです。
営業時間については、県の観光案内に月・水・金曜は13時からという記載もあり、旅館組合の10時〜17時表示とは差があります。
臨時休業もあるので、特に午前中の入浴が旅の中心になる日は、観光案内所(0269-33-2921)へ当日の受付を確かめてから予定を固定します。
渋大湯の日帰り入浴案内には販売・開錠先も掲載されています。
洗髪はできない。タオルを持参し、入浴だけを楽しむ
渋大湯は洗髪禁止で、シャンプーやボディソープは置かれていません。
外湯にはシャワーもなく、旅行中の全身の洗い場としては使い方が違います。
髪を洗い、ゆっくり身支度も整えたい場合は、設備のある旅館の内湯などと分けて考えましょう。
日帰りの予算は、大人2人が入浴するなら1,600円が出発点です。
そこへ駐車、食事、おやつの代金を別に足すと、「温泉街を歩く費用」と「入浴の費用」を混同せずに決められます。
一泊するなら、九湯を夕方と翌朝へ分けて回れる
宿の鍵で利用し、食事の時間を先に押さえる
渋温泉の宿泊客は、宿で外湯めぐり専用の鍵を借り、九つの外湯を無料で利用できます。
外湯の利用時間は6時〜22時ですが、清掃中などは入れません。
宿で鍵を受け取る際に、内湯の利用、夕食の時刻、翌朝の予定を合わせておくと滞在を組み立てやすくなります。
例えば、夕食前に近くの一、二湯、食事後は街歩き、翌朝に別の湯というように分けられます。
一番湯から番号順に回る決まりはなく、宿から近い場所や空いている湯から選べます。
混雑した小さな浴場へ無理に入らず、時間をずらすことも楽しみ方の一つです。
祈願手ぬぐいに印を集める楽しみもある
各宿で販売する祈願手ぬぐいには、外湯の入口にあるスタンプを押せます。
最後に温泉街を見下ろす渋高薬師へ参拝して印を受けるのが、この土地に伝わる巡り方です。
九つの湯で「苦労」を流すという習わしと結び付いています。
印を集めることと、九湯すべてへ続けて長く入浴することは分けます。
源泉が熱い場合もあるため、入りにくい湯へ無理をして入らず、休憩と水分補給を挟んで自分の体調に合わせます。
ご利益は伝承として親しまれるもので、願いが必ずかなうという意味ではありません。
入浴以外は、おやつ・足湯・外湯の建物を組み合わせる
小古井菓子店の温泉まんじゅうや、うずまきパンを選ぶ
小古井菓子店では、温泉まんじゅうとうずまきパンが知られています。
街歩きのおやつを一つ選ぶ、家へ持ち帰る分を買うなど、入浴の前後に小さな目的を加えられます。
営業時間は8時〜20時、定休日は水曜と元日です。
冷たいおやつを選びたいなら、ジェラートカフェ若葉屋商店も候補です。
温泉街の店がすべて同じ時刻まで開くわけではないため、食事を夜遅くの成り行きに任せず、宿で食べるか、町の店へ行くかを先に決めておくと落ち着いて過ごせます。
大湯の屋上には、無料の足湯「のふとまる」がある
全身の入浴をしない日にも立ち寄れるのが、渋大湯の屋上にある足湯「のふとまる」です。
大湯と同じ源泉を使う熱めの足湯で、利用は無料、案内時間は8時〜22時。
足を拭くタオルを一枚持つと、散歩の途中に組み合わせやすくなります。
「のふとまる」は、この地方の言葉であたたまるという意味です。
外湯の建物を見て、菓子店で一品選び、足湯で休むというように組めば、日帰りでも九湯への入浴とは別の楽しみ方ができます。
日帰りは2〜3時間の計画例から。足りなければ周辺観光を別に足す
渋温泉だけにどれだけ時間を取るか迷うなら、日帰りは街歩き45分、入浴と着替え45〜60分、おやつや休憩30分という配分から考えられます。
合計は約2時間〜2時間15分で、駐車や受付の移動を加えて2〜3時間ほどの枠にする計画例です。
公式の標準見学時間ではなく、したいことを足した組み方です。
入浴しない日はその枠を短くし、一泊する日は外湯と宿で休む時間へ分散できます。
夜の石畳を歩きたいなら、夜遅くまで全店が営業する繁華街としてではなく、宿の滞在と短い散歩を楽しむつもりで選びましょう。
歩く観光も加えたいなら地獄谷野猿公苑が候補ですが、温泉街からの移動と、公苑までの徒歩は別に必要です。
外湯めぐりの途中に数分で寄る場所とは考えず、入園の時間や歩く距離から半日・一日の行程を組みます。


